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目に起こる合併症
糖が高いために目に起こる合併症は
網膜症(もうまくしょう)です。
まず目の構造を考えてみましょう。目の奥の光をとらえる場所が網膜と呼ばれています。カメラにたとえるとフィルムにあたります。
高血糖が続くと網膜の血管が破れて出血を起こします。これが
網膜症です。
糖尿病と診断されて10年が過ぎると約4割の患者さんに網膜症が認められるとの報告もあります。残念なことに網膜症のために毎年約3000人の糖尿病患者さんが失明しています。
網膜の出血が多くなれば視力が落ちてきます。しかし、わずかな出血では視力に変化がないために知らないうちに網膜症が進んでしまう危険があります。
網膜は外からは見えにくいため眼底写真を撮るか、眼科の先生に眼底検査をしてもらう必要があります。
糖尿病の患者さんは
定期的に眼科に通院して眼底の検査を受けましょう。網膜症が進んだ場合には眼科でレーザー治療を受ける患者さんもいます。
網膜症にならないためには
血糖値を正常に近付けることが一番大事です。
次回は
「腎臓に起こる合併症」についてお話します。
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